2008年5月8日木曜日

写実と細密さ

今度モデル撮影の場所を近くのカフェTOUMAIに提供してもらうため話をしに行った。以前も書いた雰囲気のあるお店。ネコが多い。オーナーの人の本を読むと面白い。世界各地を飛び回っている。

人 物画がほぼ仕上がった。写真は手の部分。自分は「細かさ」より色の表現とその印象を大事にしていきたいと思っている。時間をかけて描けば描くほど終わりが 無く詰まっていく。高畑勲監督が著書「映画を作りながら考えたこと」の中で「細部まで書き込んだ結果魅力を失ってしまうことがある。ラフにかかれたものが非 常に生き生きとしていることがあり、線一本(アニメーション)でかかれたものより人の想像力は働く。」と言っていた。
これに似たことも教わったことがある。絵でも画面全体全て描き込まれていると見る人の入り込む余地が無くなってしまう。今はまだできていないけれど、絵画にできることは自分の手でそれをコントロールして表現することだと思う。

写真から描いた作品は、写真を撮った時点でその作品はほぼ完成している。また、写真にはカメラメーカがレンズが捉えた光からの映像表現に手を加えているので、カメラメーカーのエンジニアとの合作と言えるのかもしれない。
実物の情報量は時間を含め写真とは比べ物にならず、五感を総動員して対象を汲み取らなければ絵にできない。つまり描く景色・対象を目にしただけでは作品はまだ全く出来ていないことになる。