2022年7月23日土曜日

フランス~帰国

滞在したDalessio家のあるジェールはトゥールーズ空港からレンタカーでハイウェイを使って1時間ほどの場所であった。4日間の滞在の後、初のフランスでの運転ということとあまり新しい土地で走行をしたくない慎重な思いもあり、次なる場所はそこからもう1時間ほどのClèdesと言うトレッキング地の農村を選び滞在した。景色は良かったが、先のジェール程絵を描く場所が見つけられず、熱波も相まって朝夕の制作がメインとなり作品数が減った。



 

Clèdesでの滞在を終え、てトゥールーズ空港へ。

ここでコロナのPCR検査を受けて陰性証明書なるものを発行してもらわなければいけない。

結果のすぐ出る種類の検査を空港で予約したつもりだったのだが、そこで告げられたのは結果が24時間後と言うもの。それでは飛行機が間に合わないので、近くの病院を教えてもらいそちらへ向かう。

40ユーロを支払い検査を受け、無事陰性証明書をもらい飛行機に搭乗。

 

今回の旅はまだコロナが治まっていない中ではあったが、既に欧州は日本ほどコロナ対策を厳重にしておらず、出国よりも日本に戻る帰国のほうが手間が掛かった。これまでの旅程とは異なり手続の面倒さとリスクもあったが、それ以上に得られたものは多かったと今は感じる。

イタリアやフランスの宿のオーナの人々、特にDalessio夫妻、皆遠いアジアからの訪問者に対して大変良くしてもらった。

2022年7月14日木曜日

学ぶこと

 12年ぶりに、風景絵画を習ったMarc Dalessio氏を訪れ4日間ほど滞在させてもらい、絵画制作に帯同させてもらった。


 

12年前会った当時彼は40歳で、今は50台となったが外見は殆ど変わっておらず、絵画の方も素晴らしい作品を継続的に創り出していた。

彼は自分が会った時期モネのような境遇であった。2009年と10年に会った時、最初の奥さんが闘病中であり、恐らく辛い状態であっただろう。彼は作品をコンスタントに技術や表現のブレ無く描き続ける作家であるが、それでも自分の目には、奥さんが亡くなる頃の彼の作品はどこか寂し気な雰囲気を感じた。

その後幾つかのヨーロッパの国に移住した後、再婚され、フランスのジェールの地に家を購入し終の棲家とすることとなった。奥さんのTina Dalessioさんも画家であり、素晴らしい作品を描いている。

自分が訪れたのは未だ引っ越して6か月経ったばかりということであったが、歴史のあるその屋敷は新しい持ち主となった画家夫妻のアレンジで美術館のようになっており、今後もさらに改修するアイデアを聞くとこちらも楽しみになる。

自分は今回作家と作品を目にし少なからず驚かされた。これまでの自分が描いてきた作品(先日まで描いてきたイタリアでの絵も含む)の不足箇所がより鮮明にされてしまった思いである。それは具体的な部分も多くあるが、それ以外でも制作姿勢や絵描きとしての環境の作り方もそうである。

自分が全く彼と同じ絵を描きたい訳ではないが、外光派の数少ない本質を捉える画家から学べることは多くあると考えている。

ご夫婦のご厚意とおもてなしのお陰で滞在生活はとても素晴らしく、大変感謝している。

 



 


2022年7月9日土曜日

帰国

 その後シエナを後にし、フィレンツェ経由でパリへと飛び、乗り継いでトゥールーズへと移動する。

フィレンツェでは時間があったので駅の荷物預かり所へ旅の荷物を預けて街を散策。

 

コロナ後(まだ最中でもある)のフィレンツェは変わらず観光客に溢れていた。ヨーロッパの国々に共通しているのだが皆ほぼマスクはしていない。

数年ぶりにPalazzo Pittiの美術館へ。 



まだ時間があったので、少し足をのばしてミケランジェロ広場へ。

今回は熱波の影響で兎に角暑い。

20代の頃から幾度もこの街を訪れてきた。自分自身の状況はその度に異なっていて、そこから感じられる物もいつも違っていた。今回40台になり、東京から長野に移住しコロナの世界的な変化を経験してからの再訪。全く異なった感覚で街を眺め歩いていた。

ミケランジェロ広場からは変わらず数百年の歴史を経て存在している街並みを臨む景色が広がっていた。